TIJ東京日本語研修所設立の趣旨
1991年 10月 吉日
理 事 長 徳倉 眞治
名誉所長 高柳 和夫
所 長 高柳 和子
今日、日本はこれまで経験したことのないような、多様かつ複雑な動きの中で国際化を急がなければならない状況を迎えている。政治、経済、外交という国家間の関係においてばかりではなく、地域社会、職場など身近な日常生活の中でも、外交の人々との健全な共存の道を確立することが急務となっている。
企業の研修生、留学生、インドシナ難民、中国からの帰国者、南米からの労働者、その他、様々な人がいまや隣人として我々と社会を共有する時代である。しかし、これらの人々が日本の社会の中にどのように受け入れられているかを見ると、それは必ずしも好ましい状況とは言えない。
住居、仕事、医療制度など、生活の基本を支える諸条件、異文化を迎え入れることに対する日本人側の理解度、そして日本語を学ぶための教育環境など、改善すべきことが山積している。志をもって日本に来た人々と日本人との関係、ひいては諸外国との友好関係を発展させるには、これらの問題に早急に取り組む必要がある。
このように、国際問題が民間のレベルまで及んできた現在、国際化の現場、つまり地域社会、職場などで、人と人との相互理解を可能にするために、何より必要なのが共通のことばとしての「日本語」である。日本をより開かれた国際社会にするために、いまや、優れた日本語教育が欠くことのできない条件となっている。
日本に来た人々が、それぞれの目的にかなった日本語力を身につけて有意義に生活できること、また帰国するときは日本に対して暖かい気持ちをもって帰国できること、更にはそのような人の流れをもとに日本が国際社会に貢献できることを願って、「TIJ東京日本語研修所」を設立するものである。